カリフォルニア沿岸近海で暮らすホホジロザメたちの「秘密の場所」が研究のおかげで明らかに!
衛生タグを使った調査で、ホホジロザメは冬になるとメキシコのバハカリフォルニア州との沖まで移動していることが判明しました。このホホジロザメたちが集まる海域は「ホホジロザメ・カフェ」と呼ばれています。
今回のブログでは、冬から春にかけてカリフォルニア沿岸近海で暮らすホホジロザメたちが集まるホホジロザメ・カフェについて解説します。
ホホジロザメカフェとは
ホホジロザメ・カフェとは何か?
ホホジロザメ・カフェとは、太平洋中部、メキシコのバハカリフォルニア州とアメリカのハワイ州の中間あたりの深海にあるホホジロザメが集う海域のことです。
沿岸に生息するホホジロザメの冬と春の生息地として知られています。
衛星追跡タグを使用してホホジロザメを研究していたスタンフォード大学の海洋生物学者バーバラ・ブロック博士によって発見されました。
ホホジロザメカフェはどこにある?
太平洋中部、メキシコのバハカリフォルニア州とアメリカのハワイ州の中間あたりにホホジロザメ・カフェがあります。
ホホジロザメ・カフェの場所は北緯23.37度、西経132.71度を中心とする半径約250kmのエリアです。
なお、東京タワーから半径250kmのエリアには、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県、長野県、富山県、静岡県、愛知県が入ります。そう考えると、ホホジロザメ・カフェの広さが半径約250kmというのはとても広いことがわかりますね。
ホホジロザメたちの季節移動
カリフォルニア沿岸のホホジロザメたちは冬と春をホホジロザメカフェで過ごします。
ホホジロザメは8月から12月はカリフォルニ州中部または北部沿岸沖で、アザラシやアシカを捕食して暮らしています。1月になると、ホホジロザメたちはカリフォルニア沿岸地域から約4000キロ西にあるホホジロザメ・カフェに向かって移動します。
ホホジロザメカフェに来たホホジロザメたちは最大数か月間ホホジロザメカフェにとどまることが知られています。
グアダルーペ島のホホジロザメたちもホホジロザメ・カフェを訪れるようです。
カリフォルニア中部でのタグ付けされたホホジロザメたちの季節移動のパターンです。オス(黄色)、メス(ピンク)、性別不明(グレー)となっています。さらに詳しく知りたい方は、出典元(http://whitesharkcafe.org/Publications/Jorgensen_2009.pdf)をどうぞ。
ホホジロザメカフェでサメたちは何をしているの?
研究者たちによると、ホホジロザメ・カフェのオスとメスのサメは水中で異なる動きしているという新たな謎が発見されました。
オスは1日に120回も上下移動し、メスは夜間に海面までに上がり、昼間はかなり深いところまで潜っているそうです。ホホジロザメのオスとメスは、まったく違う行動をしていんですね。
研究者は「これが求愛行動なのか、それとも本当に摂餌行動なのか、あるいは採餌行動なのかを理解するために、これらの行動を時間をかけて研究しなければならない。」と語っています(Great White Sharks Have A Secret 'Cafe,' And They Led Scientists Right To It)。
ホホジロザメ・カフェにはおいしい食べ物がいっぱい!?
当初は海の砂漠と考えられていたホホジロザメカフェですが、実はエサが豊富な海域であることが判明しました。
ホホジロザメ・カフェがある太平洋中部、バハカリフォルニア、メキシコ、ハワイあたりの海域は魚やイカの宝庫!イカ、メバチマグロなどサメが好む魚が豊富に生息しているそうです。
ホホジロザメカフェの周辺にどんな生態系が広がっているの?
ホホジロザメカフェは海の砂漠ではなく、実際には多様な生態系が広がっています。
研究者たちは、魚、イカ、甲殻類、クラゲなど、この海域の生きものの多様性に驚いたそう。なお、ホホジロザメの衛星タグ調査によってホホジロザメ・カフェが発見されるまで研究者たちはこの海域の存在すら知らなかったというのにはおどろきますね。NOAA(アメリカ海洋大気庁)によると、人類が探査した海域は全体のわずか5パーセントに過ぎないそうです。
もしかしたら海域ごとにホホジロザメカフェがあるのかなど、まだまだ気になることがいっぱいですね!
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