乱獲とは
乱獲の読み方は「らんかく」です。
魚を乱獲することを英語では“overfishing”といいます。
乱獲の意味をわかりやすく
乱獲の意味は、魚や鳥や野生動物などの生きものを過剰に捕獲することです。
希少な野生植物や人間が使用するものの原料に用いられる植物の過剰な伐採なども含まれます。
乱獲により動植物を過剰に捕獲、伐採することで次世代の資源が増加する速度(再生産速度)をこえてしまい個体数を維持することが難しくなり、次世代の個体数が徐々に減っていき、やがては絶滅してしまうのです。
乱獲は世界的な問題であり、魚の個体数の減少や海の生態系にも害を及ぼしています。
乱獲により個体数が減っている動植物や魚類の例
乱獲の問題
乱獲の問題点は、魚を獲りすぎてしまった(=過剰な漁獲圧)せいで、将来手に入るはずの食料や富を失ってしまうことです。
つまり、乱獲は持続的な漁業ではないということです。
乱獲はなんのため?デメリットは?
乱獲は短期間であれば漁獲量を増やすことができるので経済的効果が得られます。
ところが、乱獲により漁獲量が増えるのは一時的なものであり、一定量を採り尽くすと今度は魚がいなくなってしまいます。
ある種の魚がいなくなることで、その海域の生態系のバランスが崩れてしまったり、その魚を捕食していた大型魚の個体数が減ってしまうこともあります。
つまり、長期的にみると乱獲にはデメリットしかないのです。
なぜ乱獲で個体数が減少するの?
魚などの海洋資源は適正数だけ獲っていれば再生産することが可能です。
成熟して卵を産み終えた大人の魚を適正数だけ獲っていれば個体数は減らないはずです。
ところが、乱獲により親となる魚の数が減ってしまい産む卵の量が減ってしまうと、次世代の魚の個体数が減ってしまいます。
獲れる魚の量が減っていくと、次世代の魚(=大きくなる前の小さな魚)も獲らざるを得なくなってしまいます。
そうなると、ただでさえ減ってしまった次世代の魚の個体数が減少してしまいます。
魚が成熟して卵を産めるようになるには2~3年ほどの時間がかかります(成熟するまでの期間は魚種により異なる)。
つまり、漁獲量を維持するために大きくなる前の小さな魚を獲るということは、次世代の魚が親になって卵を産む繁殖の機会を奪うということです。
これから卵を産むはずの小さな魚をたくさん獲れば、それだけ次世代の魚の個体数は減ってしまいます。
魚の乱獲はなぜ進むのか
魚の乱獲はなぜ進むのでしょうか。
乱獲の原因は?
魚の乱獲が進んだ原因は次のとおり。
戦後、魚群探知機の発達したため(1990年代からはさらに高性能になり漁獲が急増)。
漁船や漁具が進化、大型化して魚を根こそぎ獲ることができるようになったため。
漁獲が低迷するまで獲り尽くし、他の漁場に移動するということを繰り返したため。
魚群探知機の発達、漁船や漁具が進化などにより人間は魚を獲ることが上手くなりすぎました。
進化した漁具や漁船や冷凍設備などによって大量の魚を素早く獲り、大量に輸送することが可能になりました。
魚群探知機は魚の発見を容易にし、船内の冷蔵設備や処理設備は、大型船が一度の漁で数カ月にも及ぶ長い期間でも海に留まることができるようになりました。
また、世界の人口の増加、水産物の需要の増加、国によっては持続可能なレベルを超えた漁業への規制が足りないことなども乱獲の要因となっています。
乱獲の対策は?
次に乱獲の対策について解説します。
漁業の乱獲問題から排他的経済水域(EEZ)の設定へ
第2次世界大戦後の1950~60年代になると、漁場は沿岸から沖合へ、沖合から遠洋へと拡大していきました。
この結果、日本の遠洋漁業生産量はピークの1973年には400万トンに迫り、日本の漁業生産量全体の約4割を占めるまでになりました。
当時は「公海自由の原則」があり、世界中のどこの国でも沿岸3海里(約3キロメートル)の外では、魚を好きなだけ獲ることができる時代でした。
先進国は発展途上国の漁場でも自由に魚を取ることができました。
ところが、このころは魚を乱獲するだけではなく、漁業技術を持たないために漁場が手付かずとなっている発展途上国など、海沿いにある他国の資源を乱獲するという問題も発生していました。
その後、遠洋底びき網漁業がピークを迎えていた1970年代に南米、アジア及びアフリカ諸国などを中心に、沿岸国の利益の保護を目的として、200海里の排他的経済水域(EEZ)が設定されることになりました。
1977年には、米国及びソビエト連邦をはじめカナダや欧州共同体(EC)諸国も200海里水域の設定に踏み切ったことにより200海里時代が到来となったのです。
排他的経済水域(EEZ)が設定が設定されたことで他国の漁場で乱獲をして、魚が減ったら別の場所に移って乱獲するということはできなくなりました。
最大持続生産量MSY
乱獲の対策には、持続的に採捕可能な最大の漁獲量「MSY(Maximum Sustainable Yield / 最大持続生産量)」という考え方があります。
鉱物資源や石油資源とは違って、魚の数は繁殖により毎年新しい個体が誕生します。
前述のように乱獲により魚の数が再生産能力を上回るほど大きく減少してしまうと、繁殖し個体数を維持することが難しくなっていきます。
魚の増え方が最大になるような親魚の個体数を維持する
次世代の個体数が増えた分だけ親魚を獲る
長期的な漁獲量を最大にすることができる
上記のような手順で、魚の数の増加分に当たる量だけを漁獲すれば、魚の数は常に最適化された数を維持され漁業者は毎年持続的に漁獲することができます。
簡単にいうと、元本には手を付けずに利子だけを使っていこうということです。
この持続的に採捕可能な最大の漁獲量のことを、Maximum Sustainable Yield(最大持続生産量)といい、略称は「MSY」です。
MSYは漁業資源管理の基礎となる概念です。
国連は乱獲による資源の減少を防ぐために、海洋法条約第61条で200海里のうち排他的経済水域内(EEZ)における生物資源管理の目標としてMSYを掲げています。
資源管理の手法は?
魚の数(資源)を管理するには、次のような資源管理の手法があります。
これらの規制の中で乱獲を防ぐ効果が高いのは漁獲量の上限となる漁獲枠を設定する産出量規制(アウトプットコントロール)です。
漁獲可能量(TAC)とは
魚を獲りすぎないように漁獲量の上限となる漁獲枠を設定することは乱獲への対策になります。
魚種別に1年間の漁獲量を設定することを漁獲可能量(TAC/ Total Allowable Catch)といいます。
ダービー方式(オリンピック方式)の場合
TACをあらかじめ設定して、その枠の中で漁業者が早い者勝ちで漁をするのがダービー方式(オリンピック方式)です。
たとえば、100トンの漁獲枠があったとします。
それを10人の漁師が早い者勝ちで奪い合い、100トンに達した時点で漁ができなくなってしまいます。
漁船の大きさ、設備など事業規模が大きい漁師は多く漁獲できるので有利ですが、小規模な漁業者には不利なのがダービー方式(オリンピック方式)です。
ダービー方式(オリンピック方式)は資本主義的なので、漁獲力の高い設備や多くの人材を雇用することができる大規模な漁業者に有利な方法です。
にゃぶり
50トン獲ることができる漁師もいれば、5トンしか獲れない漁師もいるってことだね!
個別漁獲枠方式(IQ方式)の場合
TACをあらかじめ個々の漁業者に配分しておくのが個別漁獲枠方式(IQ方式)です。
たとえば、100トンの漁獲枠があったとします。
それを10人の漁師があらかじめ10トンずつわけ合います。
社会主義的な公平さがあるのが個別漁獲枠方式(IQ方式)のメリットです。
にゃぶり
個別枠によって個人の漁獲枠が確保されているんだね!
わたし
設定された漁獲枠から効率よく稼ぐために、大きさや漁期を見極めて高く売れる状態の魚を狙って獲ることができます。
また、大きな魚を狙って獲るため、小さな魚が生き残ることができるというメリットがあるため、乱獲の対策にもなります。
個別漁獲枠方式(IQ方式)は乱獲を防ぐだけではなく、魚の個体数の維持、漁業者が早い者勝ち競争から解放されるのもメリットです。
漁業の問題に関心がある人におすすめの本
魚が食べられなくなる日 / 勝川俊雄
東京海洋大学准教授の勝川俊雄さんの本。
漁業の問題が平易な表現で解説されているので知識がない人でもサクサク読める本です。
乱獲 の問題に関心がある人におすすめ。
日本の漁業が崩壊する本当の理由 / 片野歩
水産会社社員の片野歩さんの本。
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