サメの卵について、さまざまな疑問を持っている人が多いようです。
ところがそこには大きな誤解があることも・・・!?
今回のブログでは、サメは卵から産まれるのか、チョウザメの卵キャビアはサメの卵なのかという疑問について解説します。
卵を産むサメと産まないサメがいる
サメの繁殖方法を大きく二つに分けると、卵生と胎生に分けることができます。
- 卵生のサメはネコザメやイヌザメやトラザメのように卵から生まれます。
- 胎生のサメはお母さんザメのお腹の中から生まれます。
人間のようにお母さんサメのお腹から赤ちゃんが生まれてくる胎生は現生のサメの繁殖方法の6割を占めています。
胎生のサメは人間のように妊娠期間が長いのが特徴です。
また、胎生のサメの場合、胎盤を形成したりしなかったり、子宮内で赤ちゃん同士が共食いしたりと、サメの種類によってさまざまな繁殖様式がある上に、いまだによくわかっていないことも多いのです。
他の生き物とは異なり、サメの繁殖様式にはおどろくほど豊富なバリエーションがあるのが特徴です。
つまり、卵から生まれる赤ちゃんサメもいるし、お母さんザメのお腹から生まれる赤ちゃんサメもいるということになります。
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サメの卵についての勘違い
次に、サメの卵をめぐる勘違いを紹介します。
サメは大きな卵を産む?
サメは大きな卵を産みません。
海の中に大きな卵がゴロンとしていたら捕食してくださいといっているようなものです。
そのような繁殖方式なら、あっという間に滅んでしまうでしょう。
もしも、サメが大きな卵を産むのなら、誰もがテレビや図鑑などで一度は目にするのではないでしょうか。
ところが、大きなサメの卵なんて見たことはありませんよね?
それにもかかわらず、サメは大きな卵を産むと思っている人もいるようです。
卵を産むサメは小型のサメが多く、捕食者に見つからないような場所にひっそりと産みます。
サメの卵の中でも大きな卵として知られているトラフザメの卵ですら、大人の手のひらほどの大きさで約20cm程度の大きさしかありません。
サメは大きな卵を産むと信じている人はおそらく水族館でネコザメの卵などを見て、
↓
それならば、大きいサメは大きい卵を産むに違いない
と誤解しているのかもしれませんね。
余談ですが、現在知られている恐竜の卵は最大のものでも長さ60cm程度です。
サッカーボールの直径が22cmなので、だいたいサッカーボール3つ分くらいの長さということになります。
恐竜の大きさは最大で全長約35m、平均で15mなどと言われている割には意外と卵が小さいのです。
小さい恐竜の卵は直径約4.5cmの卵とのこと。
キャビアはチョウザメの卵だからサメの卵?
まずは、とある場所で目にしたサメの卵についてのやりとりを紹介します。
A:サメの卵を一度も見たことがなくても、キャビアなら知っているんじゃないですか。
まず、チョウザメはサメではありません。
チョウザメは硬骨魚類で、サメは軟骨魚類です。
また、チョウザメは硬骨魚類で淡水魚です。
つまり、チョウザメとサメは、コイとサメくらい別物です。
キャビアはチョウザメの卵だからサメの卵だよ、とか、チョウザメの卵はキャビアだからサメは卵を産む魚だよ、といわれても信じないようにしましょう。
チョウザメをサメと思い込んでいる人は意外と多いようです。
キャビアをサメの卵と言い張る人がいたら、チョウザメはサメではないことを教えてあげましょう。
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