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サメの保護(保全)

地球温暖化によるサメへの影響をわかりやすく解説

2023年3月2日

地球温暖化とは

地球温暖化によるサメへの影響をわかりやすく解説

まずはじめに地球温暖化とは何かということからおさらいしましょう。

メカニズム

  1. 地球の表面は太陽からのエネルギーで温められています。
  2. 温められた熱の一部は大気中の温室効果ガス(二酸化炭素など)に吸収されて、地球上に残ります。
  3. 大気中の二酸化炭素の量が適度なら、地球全体の気温は平均約15℃ほどに保たれます。

もしも地球に温室効果ガス(二酸化炭素など)がなかったらマイナス18℃になってしまいます。

にゃぶり
にゃぶり
だから二酸化炭素を温室効果ガスって呼ぶんだね!

そうなんです。
わたしたちが生きていく上で最適な温度が保たれているのは二酸化炭素のおかげなんですよ。
ところが、二酸化炭素が増えすぎると熱が余分に放出されてしまうので、地球全体の気温がどんどん上昇していきます

にゃぶり
にゃぶり
それは困る!

この二酸化炭素が増えすぎて気球の気温が上昇している状態のことを地球温暖化といいます。

温室効果ガス=二酸化炭素?

温室効果ガス=二酸化炭素という認識でほぼ合っていますが、厳密にいうと違います。

温室効果ガスの内訳は次のとおり。

  • 二酸化炭素(CO2)76.0%(化石燃料起源CO2は65.0%、森林減少や山火事などによるCO2は11.0%)
  • メタン16.0%
  • 一酸化二窒素6.2%
  • フロン類2.0%

温室効果ガスのうちのほとんどを占める76.0%が二酸化炭素ですが、メタンや一酸化二窒素やフロン類を合わせて温室効果ガスといいます。

原因

温室効果ガスのうちの76.0%を占める二酸化炭素は、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料を燃やすことで発生します。
車を運転したり、ストーブを付けたり、ゴミを燃やしたりすることでも二酸化炭素が発生します。
また、電気を作るためにも多くの燃料を燃やしています。
たとえば、テレビを見て電気を使うだけでも二酸化炭素を排出することにつながっているんです。

にゃぶり
にゃぶり
日常生活を送るだけで二酸化炭素を排出するんだね!

世界的な影響

1750年以降、人間活動により二酸化炭素の量が増えてしまった結果、地球の平均気温は100年間に0.6℃も上がっているといわれています。
また、地球の温度があがると北極海や南極の氷がとけて海の高さがあがるため、低い島や砂浜が海にしずんでしまうと考えられているため小さな島に住む人々は国土消失の危機に脅かされています。

地球温暖化による世界的な影響他にも次のようなことが挙げられます。

  • 水害、森林火災、ハリケーン、熱波の発生数増加や干ばつの長期化による被害の増加
  • 小麦の収量が減少し、世界的な需要増加も影響して、小麦を使った製品の価格が上昇
  • 農作物が育ちにくい地域が拡大

日本でも起きている身近な影響

  • 熱中症搬送者数や死亡者数が増加傾向(救急搬送者のうち半数近くが65歳以上の高齢者)
  • 短時間強雨や大雨の増加に伴い、土砂災害・水害の発生頻度が増加
  • 台風の強大化
  • 激しい雨の回数は増える一方で、年間の降水の日数が減少

生きものや海への影響

  • ホッキョクグマやアザラシなどの生息地がなくなるといった生態系への影響
  • 野生生物の分布の変化
  • サンゴの白化現象
  • 日本海でブリ、サワラの漁獲量増加の一方、スルメイカ減少

地球温暖化によるサメへの影響

では、地球温暖化によるサメへの影響にはどんなものがあるのでしょうか。

貧酸素化でサメの混獲が増える可能性

海の貧酸素化(deoxygenation)により、サメの混獲が増える可能性があります。

貧酸素化の原因とは

海洋の広い範囲で溶存酸素量(海水中に溶け込んでいる酸素の量)が減少していることが明らかになっています。
貧酸素化の原因は地球温暖化による海水温の上昇です。

地球温暖化により海水温が上昇すると、海水に溶けることができる酸素の量が減少してしまいます。

にゃぶり
にゃぶり
海水温があがると酸素が溶けにくいんだね!

そうなんです。
酸素の溶解度は水温によってほぼ決まるため、水温が上昇すれば低下してしまいます。
地球温暖化によって海水温が上昇していくのとともに海水中に溶け込んでいる酸素の量も減少していくのです。

サメの混獲が増える理由は?

酸素量は海面付近で最も多くなります。
その理由は、大気と海面との間で酸素の交換が行われるためです。
海面付近では、海水に溶けることができる上限の量付近まで酸素が溶けるため酸素の量が多くなります。
貧酸素化が進むと、酸素を求めて海面近くを泳ぐ魚が増えると考えられています。
そのためサメもこれまでよりも浅い水深を好む可能性が増えます。
海面近くを泳ぐサメが増える可能性があることで混獲されてしまうサメが増えるのではないかと危惧されているようです。

サメの分布域の変化

地球温暖化によって、野生生物の分布が変化することが危惧されています。
日本海でブリ、サワラの漁獲量が増加する一方、スルメイカが減少しているのも分布の変化のひとつでしょう。
サメの餌になる生きものの生息地がかわると、それを追ってサメも移動します。
そのため、サメの分布域が変わってしまうかもしれないのです。

NOAA(アメリカ海洋大気庁)によると、大西洋と太平洋の米国海域では海洋の温暖化が進むにつれて多くの魚種が北上しているそうです。

にゃぶり
にゃぶり
水温が低い方が海水中に溶け込んでいる酸素の量が増えるからだよね!
わたし
わたし
さっき説明した貧酸素化の話を覚えていたんだね。いい子いい子。

たとえば、南カリフォルニアでよく見られるオナガザメ科のサメなどが温暖化にともなって冷たい海域に移動してしまい、今後は太平洋沿岸のアラスカなどに分布するようになるかもしれません。

ホホジロザメとの遭遇率が上がる地域も?

FOX News Networkによると、カリフォルニア州モントレー湾の北側でホホジロザメの子どもたちが集まる場所が発見されたそうです。
研究者たちがホホジロザメの子どもたちを発見したのは2015年のこと。
ホホジロザメの子どもたち大人と違い体温を保持するだけの十分な大きさがなく温度にとても敏感なため、気候変動により海水温が上昇したことでモントレー湾に移動してきたようです。
また、海岸付近は水深が浅く、太陽の光で温められるため水温が高くなること、好物のエイが多く生息していることも移動してきた理由のようです。

ホホジロザメの子どもたちの危険性は?

ホホジロザメの赤ちゃんは全長1.5m、子どもは全長1.8m〜2.7mです。
一般的なイメージほどサメたちは人間に興味を示すことはありませんが、遭遇率が増えるということは少し心配です。
インターナショナルシャークアタックファイルによると、1.8m以上の大きさのサメのほとんどは人間にとって潜在的な脅威があるとみなした方がいいとのこと。
その理由は人食いザメだからということではなく、ただ噛み付いただけだとしても、サメの顎の力と鋭い歯は大けがにつながる可能性が高いからです。
そのため、ホホジロザメの子どもが好奇心で噛み付いてきたとしても人間は大怪我をする可能性があるかもしれません。

サンゴ礁で暮らすサメに絶滅の危機

地球温暖化による海水温の上昇がサンゴ礁を形成する造礁サンゴの白化を引き起こしているという話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
国立研究開発法人 国立環境研究所によると、サンゴの白化とは次のようにして起こります。

サンゴ自体は動物ですが、褐虫藻(かっちゅうそう)と呼ばれる藻類(そうるい)を体内に共生させ、その光合成生産物に依存して生きています。サンゴの白化は、環境ストレスにより褐虫藻の光合成系が損傷され、サンゴが褐虫藻を放出することにより起こります。このとき、サンゴの白い骨格が透けて見え、白くなるため白化と呼ばれます。環境が回復すれば褐虫藻を再び獲得してサンゴは健全な状態に戻りますが、環境が回復せず白化が長く続くとサンゴは死んでしまいます

にゃぶり
にゃぶり
サンゴの白化がサメに関係あるの?

はい、関係あります。
サンゴ礁やその周辺海域には世界の海に生息する50万種の生きものうち25%程度が生息していると考えられています。
そのため、海水温の上昇やpHの変化によるストレスでサンゴが白化して死んでしまうと、魚たちは住みかや産卵場所、稚魚たちが育つ場所を失ってしまうのです。
サンゴ礁で暮らす魚たちがいなくなると、サメも餌を食べることができなくなってしまいます。
つまり、サンゴの白化はサンゴだけの問題ではありません。
サンゴ礁とその生態系が危険にさらされてしまうということなのです。
そのため、サンゴ礁で暮らすサメたちにも絶滅の危険があるかもしれません。

小型化する

地球の温暖化によって海水温が上昇し、酸素不足になることで成長が阻害されてしまいサメが小型化する可能性があります。
科学誌Nature(ネイチャー)によると、2050年までに魚の全長や体重が14~24%減少する可能性があるとのことです。
海水温の上昇による酸素不足はサメだけではなく海で暮らす魚たちにとっても大きな問題といえるでしょう。
サメの小型化については『海水温の上昇や乱獲の影響による魚やサメの小型化についてわかりやすく解説』で解説しています。

歯やウロコが溶ける

大気中の二酸化炭素濃度が上昇したことで海洋酸性化が世界規模で進行しています。
この海洋酸性化が進むことで、サメの歯やウロコが溶けてしまうことや海洋の生態系に大きな影響を与えることが懸念されています。
海洋酸性化については『海洋酸性化とは?仕組み、原因、サメへの影響、対策をわかりやすく解説』で解説しています。

まとめ

海で起きていることは私たちの目には見えません。
そのため、地球の温暖化が海にも悪影響を与えているといってもピンとこない人の方が多いでしょう。
また、サメが絶滅の危機に直面しているといわれても、なかなか実感しにくいものですよね。
しかしながら、巨大台風、記録的な豪雨、猛暑などの異常気象がいつの間にか日常になっているのを実感している方は多いのではないでしょうか。
実は、台風や豪雨も海水温が上昇が原因なんです。
地球上のありとあらゆるものは何らかの形で連鎖しています。
地球温暖化について自分ができることを考えてみませんか。
小さなことでもかまいません。
たとえば、エアコンの設定温度を見直してみましょう。
※夏場は生命の危険もあるのでまずは自分の体調優先で設定するようにしましょう!!
扇風機やサーキュレーターを合わせて使うことで節電できますし、電気代も安くなります。
一石二鳥ですね。
テレビのつけっぱなしもやめましょう。
意外と盲点なのが水です。
水道から出る水は浄水場できれいにして、おうちに運ばれるまでに、大量のエネルギーを使用しています。
そのため、歯磨きの最中などに水道水を出しっぱなしにすることはエネルギーの無駄遣いなのです。
節水は節約にもなりますし、地球温暖化の防止にもつながります。
どうでしょうか。
これくらいのことならできそうと思った人も多いのでは?
無理はしなくていいので、小さなことをみんなで積み重ねて、持続可能な未来をつくりたいですね。

参考文献・資料一覧

(1)気象庁『溶存酸素量
(2)気象庁『貧酸素化
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サメブロガーReinoのプロフィール写真

シャーク・アクティビストReino

シャーク・アクティビストのReinoです。 サメ専門ブロガー&YouTuberとしてサメの生態や保全についてお伝えしています。 佐賀県唐津市生まれ、東京育ち。 慶應義塾大学文学部卒業。 保有資格は環境社会検定試験(eco検定)、日本さかな検定(ととけん)3級🐟 関心があるのは、哲学、サメの保全、環境倫理学、水産学、SDGs14。 好きなものは、7 MEN 侍、SixTONES、永瀬廉(King & Prince)。ブログの執筆と監修を行っています。

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