水族館でおなじみのマモンツキテンジクザメは小型のかわいいサメです。
実は、歩くサメとしても有名なんですよ!
このブログでは、マモンツキテンジクザメの特徴などを解説します。
マモンツキテンジクザメとは
まず、マモンツキテンジクザメの基本情報を紹介します。
マモンツキテンジクザメの基本情報
- 標準和名
- マモンツキテンジクザメ
- 別名
- エポーレットシャーク、エパレットシャーク、ウォーキングシャーク
- 英語名
- Epaulette shark
- 学名
- Hemiscyllium ocellatum
- 保全状況
- 低懸念(Least Concern / LC)
- 分類
- テンジクザメ目(Orectolobiformes)、テンジクザメ科(Hemiscylliidae)、モンツキテンジクザメ属(Hemiscyllium)
- 危険度
- シャークアタックの回数
- 0件のサメ事故(1580-2020年)
- サメの攻撃が原因の死亡事故
- 0件のサメによる死亡事故(1580-2020年)
- 生活様式
- 底生
- 分布域
- オーストラリアやニューギニアの浅海、インドネシアのパプア沖
- 日本国内での分布域
- なし
- 生息場所
- サンゴ礁の浅瀬
- 水深
- 50m
- 大きさ
- 平均的な全長は70〜90cm
- 最大全長
- 最大107cm。
- 体重
- 〜2.9kg
- 平均寿命
- 20〜25歳。
※サメの年齢を推定するのは難しく、多くのサメが過小評価されている可能性があるので今後さらに長くなる可能性もあります。
- 最大寿命
- 25歳
- 繁殖方法
- 卵生(単卵生)
- 孵化するまでの期間
- 120〜130日後
- 卵の数
- 1年に最大20個の卵を産む
- 幼魚の大きさ
- 14〜16cm
- 繁殖サイクル
- 7月から12月
- 成熟年齢
- 7歳
- 成熟サイズ
- オス:54cm、メス:62cm
- 歯の形状
- -
- 泳ぐ速度
- -
- 性格
- おとなしい
- 習性
- -
- 1日の過ごし方
- 夜行性
- 好きな食べ物
- カニ、エビ
- 海の仲間のお友達
- -
- 生息年代
- -
- 発見された年
- 1788年
- サメが住んでいる水深
※水深200mの深海を星5と評価
- 巨大ザメ指数
※最大全長が5m以上のサメを星5と評価
- 水族館で会える可能性
- ペットとして飼育できる可能性
マモンツキテンジクザメの特徴とは
マモンツキテンジクザメ(エポーレットシャーク / Hemiscyllium ocellatum)は、別名ウォーキングシャークと呼ばれています。
なぜ、ウォーキングシャークなのかというと、対になったヒレを手足のように使って、珊瑚の間や海底を歩くことができるサメだからです。
もちろん泳ぐこともできます。
マモンツキテンジクザメは陸上をを歩くことができるサメ?
マモンツキテンジクザメは空気のある陸上で生き残ることのできる珍しいサメです。
マモンツキテンジクザメの分布域であるグレートバリアリーフのサンゴ礁では潮が引くとまるで水槽の栓を抜いたかのように100万トンもの水が引いていきます。
大きな潮だまりはサンゴ礁はやがて浅くなると、マモンツキテンジクザメは空気にさらされてしまいます。
一般的な魚は、海水が引く「干潮時」に海から取り残されてしまったときに起こる低酸素状態(Hypoxic)に陥ってしまいますが、に対してマモンツキテンジクザメは高い適応能力を持っています。
陸上に取り残されたマモンツキテンジクザメは臓器を1つずつ停止させていきます。
そうすることで、酸素を取り込めない状態でも人間の60倍長く生存することができるのです。
マモンツキテンジザメはどのくらい水から離れることができる?
マモンツキテンジザメが水から離れることができるのは、3時間とみられています。
酸素が5%未満の条件で3時間以上、実験室でのテストでは酸素なしの状態で1時間も生き残ることができたそうです。
マモンツキテンジザメはなぜ、歩くことできる?
では、なぜマモンツキテンジザメは歩くことできるのでしょうか。
マモンツキテンジザメは体をくねらせながら胸ビレで歩きます。
その理由は、マモンツキテンジザメの内部構造にあります。
マモンツキテンジザメの胸ビレなどの内部構造を調べたところ、他のサメと比較すると胸ビレをかなり自由に動かせる構造であったこと、筋肉が発達していることがわかりました。
そのため、胸ビレを器用に使い歩くことができるのです。
マモンツキテンジクザメの分布域
マモンツキテンジクザメは、グレート・バリア・リーフの南端に位置するレディー・エリオット島や、カクレクマノミや稀少なウミガメに会えることで人気のダイビングスポットであるヘロン島などでみることができます。
マモンツキテンジクザメの生息域
サンゴ礁の浅瀬、タイドプール。
万が一、水が引いたサンゴ礁に取り残されて、空気にさらされたとしても、マモンツキテンジクザメは3時間ほどは生存することもでき、歩いて海に戻ることもできます。
マモンツキテンジクザメは人食いザメなの?人間への危険性は?
マモンツキテンジクザメはどんなに大きくても1mほどの小さなサメなので、危険で凶暴な人食いザメではありません。
マモンツキテンジクザメの性格
マモンツキテンジクザメは人間に対して恐怖心がないそうです。
基本的にマモンツキテンジクザメはおとなしいサメですが、いたずらすると小さな口で噛まれる可能性もゼロではありません。
マモンツキテンジクザメの繁殖
写真はわたしがアクアパーク品川で観察したマモンツキテンジクザメの交尾です。
マモンツキテンジクザメの交尾は、野生では7月から12月に行われます。
メスは8月から12月にかけて産卵し、メスは14日おきに2個ずつ、年間20個ほどの卵を産みます。
卵は10cm×4cmの大きさで、120〜130日後に全長14〜16cmの稚魚が誕生します。
マモンツキテンジクザメの成熟は雌雄ともに7歳前後、全長は54〜64cmになったときです。
マモンツキテンジクザメの保全状況
IUCNレッドリストではマモンツキテンジクザメを「低懸念(Least Concern / LC)」と評価していますが、パプアニューギニア沖では生息地の破壊、乱獲、有害な漁法により、「準絶滅危惧種」の状態に追い込まれています。
オーストラリアでは、マモンツキテンジクザメの生息地の大部分は海洋保護区で保護されています。
マモンツキテンジクザメは商業的な価値のあるサメではありません。
水族館での取引のための小規模な採集は行われていますが、その影響はほとんどありません。
マモンツキテンジクザメを水族館で見たい
マモンツキテンジクザメは比較的よく水族館でみることができるサメです。
水族館によっては英名のエポーレットシャーク、エパレットシャーク、エパウレットシャークという名前で展示されているケースもあります。
水族館での繁殖にも成功しているサメなので、人工飼育に適応しやすいサメの一種です。
実際に、わたには八景島シーパラダイスではマモンツキテンジクザメの子ザメを展示しているのをみたことがありますし、アクアパーク品川では交尾を観察したこともあります。
おわりに
もし、水族館でマモンツキテンジクザメ(エポーレットシャーク)を見かけたら、海底をヒレを使って歩く姿を観察してみてくださいね!